MOSFET設計会社力士(4923)は14日、テキサス州東部地区連邦地方裁判所でASUS(2357)に対する特許侵害訴訟で勝訴したと発表した。米国時間2025年2月13日、裁判所はASUSの特許侵害は悪質であるとし、力士に1050万米ドル(約3億4000万新台湾ドル)の損害賠償を命じる判決を下した。力士は裁判所の判決文のコピーを正式に入手し、さらにASUSが米国で侵害MOSFETを販売することを禁止する差止命令を申請する予定である。このポジティブなニュースに後押しされ、力士の株価は午前の取引開始直後に40.2台湾ドルまで上昇し、40台湾ドルの壁を突破した。
本件は、2022年に力士が、ASUSが同社の米国特許(US 7,629,634およびUS 7,812,409)を侵害するMOSFETを米国で販売されているノートパソコンに使用していることを発見したことに起因する。レックス社はASUS社に対し、特許侵害を督促し、誠意をもって対応するよう書簡を送付したが、回答がなかったため、正式に提訴した。侵害しているMOSFETは、Panjit 2N7002K、Excelliance EMB20N03V、LRC L2N7002SLT1G、UBIQ QM3016AMなどを含む。
力士は、これらの侵害製品はノートパソコン(NB)、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、バッテリーモジュール等の民生用電子機器に広く使用されており、各機器には平均して数十個から数百個のMOSFETが使用されており、汎用性が高く、力士の知的財産権と市場競争力を長年侵害してきたと指摘した。当社は、今後も株主の権利保護と知的財産権の尊重の立場を堅持し、当社の権利・利益を守っていくことを強調する。
今回の勝訴により、陪審団はASUSが「悪質な侵害行為」を行ったと認定したため、ASUSが損害賠償金の支払いを要求されることが確定しただけでなく、裁判所は損害賠償金を増額し、ASUSに弁護士費用の一部または全額の支払いを要求する可能性もある。力士はまた、侵害MOSFETを搭載したすべての電子機器が米国市場で販売されないよう、さらに法的措置を講じるとともに、今後、侵害データを搭載したブランド製品が市場に出回る場合も法的リスクにさらされることになる。
この訴訟における損害賠償額は、テキサス州東部地区連邦地方裁判所の陪審員により、ASUSの米国における総売上高、レックス社の受注への影響、合理的な損害賠償の基準に基づいて算出されたことが判明している。力士は、長期的な競争力を確保するため、今後も市場の動向を注視し、特許権を厳格に保護していくことを強調している。
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