中国本土のパネル大手京東方（ＢＯＥ）は最近、韓国の技術企業サムスン・ディスプレイを相手取り、同社の折りたたみ式携帯電話「Ｇａｌａｘｙ Ｚ Ｆｏｌｄ」シリーズに使用されているＯＬＥＤ画面下カメラ技術が京東方の特許４件を侵害しているとして、米国で特許侵害訴訟を起こした。同時に、サムスンディスプレイも京東方とその子会社数社に対して特許侵害訴訟を起こしている。
Ｔｈｅ Ｏｂｓｅｒｖｅｒによると、京東方は、サムスンの電子ブック型折りたたみ携帯電話Ｇａｌａｘｙ Ｚ Ｆｏｌｄシリーズの画面下カメラ（ＵＰＣ）に使われている有機発光ＯＬＥＤ技術が、同社の４つの特許を侵害していると述べたという。
ＵＰＣ技術とは、カメラモジュールをパネルの下部に配置し、必要なときだけカメラを起動できるようにすることで、カメラを使用していないときは画面の１００％を利用できるようにする技術だという。既存の穴あきスマートフォンはこの部分を使用することができず、前面カメラはパネルの一部をカットしてカメラレンズを見せることで実現している。
実は、両者の訴訟はこれが初めてではない。２０２２年１２月、サムスン・ディスプレイは京東方に対し、モバイル機器向けのアクティブマトリックス型有機発光ＯＬＥＤディスプレイ・パネルおよびモジュールに関する４つの特許を侵害しているとして、米国国際貿易委員会（ＩＴＣ）に提訴した。
一部の業界関係者は、パネル業界を代表する企業として、サムスンと京東方の特許訴訟が互いに背後にあり、パネル市場の２大巨頭が熾烈な競争を繰り広げているとみている。米市場調査機関ＤＳＣＣのデータによると、２０２４年の世界ＯＬＥＤパネル市場（売上高ベース）は、サムスンディスプレイが４２．２％のシェアで１位、京東方が１３．２％で３位となった。
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