2026-09-25[特許出願、商標出願] 中国メモリー大手YMTC、特許訴訟で反撃 ドイツ裁判所がMicronの一部製品に販売差し止め命令

中国メモリー大手YMTC、特許訴訟で反撃 ドイツ裁判所がMicronの一部製品に販売差し止め命令

中国のメモリー大手、長江存儲科技(Yangtze Memory Technology Corp, YMTC)とアメリカのマイクロン社(Micron Technology)による世界規模の3D NAND特許紛争で、重要な進展があった。海外メディアの報道によると、ドイツのミュンヘン地方裁判所は、マイクロンがYMTCのドイツ実用新案権2件を侵害したと認定し、対象製品のドイツ国内での販売差し止めを命じた。

報道によれば、これはYMTCが2023年11月にマイクロンとの世界規模の3D NAND特許紛争を開始して以来、実質的に市場での販売を制限し得る差し止め命令を初めて獲得した事例となる。一方、ドイツではほかに3件の訴訟が係属しており、実体判断はまだ示されていない。マイクロンはすでに控訴し、権利の有効性についても争う方針を表明した。差し止め命令が執行されるかどうかは、ミュンヘン高等地方裁判所が控訴審で執行停止を認めるかに左右される。

特許訴訟専門メディア「ip fray」によると、ミュンヘン第一地方裁判所第7民事部は9月18日、YMTCが主張したドイツの実用新案権2件について、同社に有利な判決を下した。対象となった技術は、「三次元記憶装置の階段状構造」と「3D NANDのワード線コンタクトにおけるバリア層」に関するものだ。裁判所はこれに基づき、マイクロンに対して2件の差し止め命令を発令した。なお、ミュンヘンで提起された残る3件の訴訟については、実体判断が出ていない。

ただし、今回の判決によって、マイクロンのすべてのメモリー製品がドイツ国内で全面的に販売禁止となったわけではない。差し止めの対象は、関連する権利を侵害すると認定された特定の3D NAND製品に限られ、訴訟手続きも継続中だ。ip frayによると、ミュンヘン高等地方裁判所が控訴手続きにおいて執行停止を命じない限り、差し止め命令は近く執行段階に入る可能性がある。これに対し、マイクロンは判決を不服として控訴し、関連する権利の有効性についても引き続き争うとしている。

報道によれば、今回の紛争はドイツだけにとどまらない。マイクロンが米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、YMTCは米国、英国、ドイツ、欧州統一特許裁判所(UPC)などの司法管轄区域で、マイクロンおよびその子会社に対して複数の特許侵害訴訟を提起している。このうちミュンヘンでは、特定の3D NAND製品をめぐる訴訟が5件起こされている。

両社の特許紛争は2023年11月にさかのぼる。当時、YMTCは米カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所で、マイクロンの一部3D NAND製品が米国特許8件を侵害しているとして提訴し、その後、訴訟の範囲をさらに拡大した。一方、マイクロンは米国特許審判部(PTAB)などの手続きを通じてYMTCの特許の有効性に異議を申し立てている。こうして、当初は特定市場での争いだった両社の対立は、複数の国・地域にまたがる特許訴訟へと拡大している。

今回のドイツ判決の重要な点は、YMTCが損害賠償を求めるだけでなく、競合他社の製品販売を直接制限し得る差し止め命令を獲得したことにある。今後も命令が維持されれば、世界規模で進む3D NAND特許の交渉や訴訟において、YMTCの交渉上の立場を強める可能性がある。ただし、マイクロンの控訴や関連する権利の有効性をめぐる争いは続いており、両社の特許紛争はなお決着していない。