2026-10-08[特許出願、商標出願] AI・5G・コンピューティング・ネットワークなどを対象に、クアルコムがファーウェイの「LogicFolding」チップ技術のライセンスを取得へ

ファーウェイは5日、米クアルコムと複数年にわたる特許ライセンス契約を締結したと発表した。契約は人工知能(AI)、5G、コンピューティング、ネットワークなどの技術分野を対象とする。契約に基づき、クアルコムはファーウェイが保有する一部の米国特許および「LogicFolding(ロジック・フォールディング)」と呼ばれるチップ技術のライセンスを取得する。今回の取引は規制当局の承認を得る必要があり、契約金額は公表されていない。

ファーウェイによると、今回の契約は両社にとって5G技術を対象とする初の特許ライセンス契約であり、両社間のクロスライセンスの一環でもある。5G機器、AIサービス、近接パッケージ光学、コパッケージド・オプティクス(CPO)、ネットワークなどの技術が対象となる。契約が完了すれば、ファーウェイの特許ライセンス契約の総額は69億米ドルを超える見通しだ。

クアルコムが今回ライセンスを取得する技術には、ファーウェイが最近発表したLogicFoldingチップ技術が含まれる。米メディアは、今回の契約がファーウェイの半導体技術力を裏付けるとともに、海外のAI市場への事業拡大の足掛かりになると指摘している。

ファーウェイは、LogicFoldingを半導体の性能向上につながる技術的なブレークスルーと位置付けている。データ転送速度を高めることで、中国がASML製の極端紫外線(EUV)露光装置を入手できないという制約を部分的に補う狙いがある。EUV露光装置は、最先端半導体の製造に不可欠な重要設備とされている。

米国は2019年以降、ファーウェイによる先端半導体や重要ソフトウェアへのアクセスを継続的に制限してきた。それでも、ファーウェイとその協力企業は、データセンターやAI向け半導体の設計・製造手法の模索を続けている。

中国メディアは、今回の契約によって、ファーウェイとクアルコムの間で生じていた特許ライセンス契約の空白期間が解消されることにもなると報じている。クアルコムの技術ライセンス事業(QTL)の収入には、2025会計年度第2四半期以降、ファーウェイからの特許使用料が含まれていなかった。これは、両社の従来のライセンス契約が期限切れとなっていたためだ。

両社の特許協力には長い歴史がある。2020年7月には、2019年末に期限切れとなったライセンス契約をめぐる紛争を解決するため、両社が和解契約を締結し、新たな長期のグローバル特許ライセンス契約を結んだ。この際、クアルコムは18億米ドルの収入を計上した。

中国メディアはファーウェイ側の視点から、今回の取引には、クアルコムの関連技術のライセンスを取得するだけでなく、一部の米国特許を売却することで知的財産資産を収益化する狙いもあると分析している。一方、クアルコムにとっては、AI、コンピューティング、ネットワーク分野における特許ポートフォリオの拡充につながる。

両社の立場の変化も市場の注目を集めている。ファーウェイが初めてクアルコムに特許使用料を支払ったのは2001年で、2011年にはモトローラから初めて特許ライセンス収入を得た。今回のクアルコムとの契約は、ファーウェイが今年8月にHPとの特許ライセンス協力を発表したことに続く動きでもある。

中国の経済界では、米中間の技術競争とデカップリングが進むなか、ファーウェイとクアルコムが特許協力を再び拡大することは、双方の技術協力における「逆方向の緩衝材」として一定の役割を果たすとの見方が出ている。特許ライセンスは、企業が技術資産を収益に転換する手段となるだけでなく、米中のテクノロジー企業が競争を続けながらも、協力の余地を残す仕組みにもなり得る。